If I feel like it. 〜電車の運転士の日常〜

思いは言葉に。昭和末期生まれ。嫁さん、娘ちゃん、チビの4人ぐらし。日常の考えたこと、レビューなど。

「20秒の価値」と「謝ること」について考えてみた。

ちょっと前に、ニュースになりました。

覚えている方もいるでしょうか?

 

www.huffingtonpost.jp

 

定刻より20秒早く電車が出発してしまった(=早発)謝罪を、皮肉るニュースです。

職場でも話題になりまして。

これについて思うところを書いてみたいと思います。 

 

 

f:id:MagicBlackLotus:20171122002400j:plain

ニュースの概要

 

11月14日に千葉県流山市南流山駅に着いた電車。首都圏新都市鉄道によると、午前9時44分40秒に発車するはずだったが、9時44分20秒に発車してしまった。

同社は「大変ご迷惑をおかけしましたことを、深くお詫び申し上げます」と公式サイトで謝罪した。この件で乗客からの苦情はなかったという。

 

この件に対して、苦情は一件もないのになぜ謝罪?!

驚きです・・・ありえない・・・

こわっ・・・(こんなのザラにあるわ・・・)

と思ったら。

どうやら発車メロディーがなる前に発車してしまったから、ということのようです。

一方、海外の反応は次のようなものだったとか。

 

地下鉄の遅延が頻発することで知られるアメリカ・ニューヨークの新聞は、以下のような表現を用いた。

「史上でもっとも、過剰に反省された20秒だったのでは......」(ニューヨーク・タイムズ)
「日本の鉄道会社は、ニューヨークの乗客が決して聞くことがないであろう謝罪を出した」(ニューヨーク・ポスト)

 

イギリスの公共放送BBCオンライン版は、なぜか新幹線の写真とともに報道。このニュースが「ソーシャルメディアのユーザーを驚かせた」として、以下のようなツイートを紹介した。 

「20秒早く出発しただけで謝罪する東京の鉄道会社は、日本の最高の美徳だ」(サンフランシスコのスタン・イーさん)
「日本の電車の乗ったことがある人は、この話の意味が分かるだろう。なぜかイギリスではあり得ないけどね」(ロンドンのアンディ・ヘイラーさん

 

うーん、ツッコミどころが満載だ(白目)

 

時間の価値について

 

そもそも、発車ブザーの前に発車してしまうとか。

どうしてそんなシステムになってるんだろうか。

この会社の場合は、ブザーの管轄は駅ってこと?完全にオートなのかな。

 

基本的に、ブザーは車掌の取り扱いです。

車掌は別名、列車長と言って、時間管理も大切な仕事の一つなんです。

ワンマン運転のところでは、運転士が発車ブザーを鳴らしたりもします。

過去の記事で紹介した、電車を動かす仕組みの中でも紹介ムービーがあります。

 

magicblacklotus.hatenablog.com

 

大量の乗客をスムーズに動かす導線ラインや自動改札機、正確で安全な車両の運行システムを観察する。

www.nhk.or.jp

 

チャプター10あたりですね。

笛をならしたりとかね。

「ドアを閉めますよ〜、電車が動きますよ〜」ってサインですからね。

 

電車は、ご存知の通り、秒単位で動いています。

秒単位でシステムが組まれていますからね。

ですから我々、中の人も、秒単位の仕事が求められます。

 

特に注意しなければいけないのは、「分」を跨ぐときです。

20秒のズレが今回、生じてしまったわけです。

 

ニュースの件では「44分40秒」発車のところ、「44分20秒」に発車ですよね。

これが例えば、「44分10秒」発車のところ、「43分50秒」だとすると・・・

電光掲示板や、スマホの検索結果やらと「分」単位の誤差が生じてしまいます。

 

これは、ダメです。

ダイヤは、鉄道会社の「商品」であり、約束みたいなものです。

それにズレがあってはいけないよ、ということは言っていいと思います。

ただ、「分」が変わってない中での20秒なら、個人的にはセーフなんじゃないかなと思いますが。

発車メロディの前に出発しちゃうのは・・・やっぱ、言い訳厳しいか・・・

システムのせいだね。うん。

 

鉄道って、時間にシビアな仕事だと感じますよね。

時間に厳しい人、風土。それは実際にあると思います。

時間を守る積み重ねこそが、信頼の源ですし。

 

余談ですが、自分、ついこのあいだ遅刻しそうになりまして。

恐ろしい冷や汗が出ました・・・

そして、食べようとしていたカップ麺を一気に流し台に捨てて、家を飛び出しました。

 

乗務員は担当する電車に合わせて出勤するのです。

だから、毎回出勤時間がバラバラなんです。

そのときは、出勤時間を遅く勘違いしていました・・・

 

転職する前は、時間にはずいぶんルーズだったんですが。

やっぱり仕事がら、そういうわけにもいかないですからね!

鉄道員になってからは1度しか遅刻したことありません!!

って、あるんか〜い。

 

謝る、ということ

 

社会人のみなさん。

これから社会に出る若いみなさん。

バッドニュースファーストですよ。

「ゴメンなさい」も、すぐにしましょう。(自戒)

 

早く謝ることに、価値があります。

早く謝れば、例えば、ミスの対応もそれだけ早くなるんです。

そして、反省を示すことができます。

改善策を考えるキッカケにもなります。

言い訳ばっかりの残念な人には、なりたくないですよね。

 

散々、ゴメンなさいを遅らせて痛い目を見た自分の経験としても間違いありません!!

そういう意味でも、今回のニュースの対応は、スピードとしてはよかったのかもしれません。

 

ただ、謝り方って大事だと思うんです。

謝る=責任を認める、ということにもなります。

 

会社が謝る、ということは、会社として責任を取っていく、という表明にもなってしまうわけです。

 

事実、鉄道会社は結構謝ることが多いです。

事故とか。トラブルとか。

人の命を扱う仕事ですから、当然といえば当然なんですけどね。

 

そして、個人として謝るときも、対応を間違えてはいけません。

ちょうど自分がEverenoteに突っ込んでいた記事で、面白いものがありました。

 

toyokeizai.net

 

記事によると、謝ることは社会の中での潤滑油の効果があるとのこと。

ふむふむ。わかる気がします。

そして、許されるための謝罪には、6つのポイントがあるそうです。

 

① 後悔の念を表す
(例)「本当に申し訳ない」「こんなことをするべきではなかった」

② 原因を説明する
(例)「自分の不手際であった」「慢心をしていた」

③ 責任を認める
(例)「私の責任である」

④ 反省の弁を述べる
(例)「猛省をしている」「もう二度とこんなことはしない」

⑤ 改善策を提示する
(例)「これまでの行いをただす」

⑥ 許しを請う
(例)「どうか許していただきたい」

 

あんまり使いたくないテクニックですが。

いざという時には覚えておきましょう。

 

86,400秒のプレゼント

 

 

「時間」と「謝罪」それぞれについて思うところを考えてみました。

最後に、ある詩を紹介して終わろうと思います。

 

この記事を書いているとき、ふと、どこかで目にしたのを思い出しました。

作者も出典も不明のようです。

「時間の価値」という別名がついていたりするみたいですね。

 

次のような銀行があると、考えてみましょう。

その銀行は、毎朝あなたの口座へ86,400ドルを振り込んでくれます。

同時に、その口座の残高は毎日ゼロになります。
つまり、86,400ドルの中で、あなたがその日に使い切らなかった金額はすべて消されてしまいます。

あなただったらどうしますか。
もちろん、毎日86,400ドル全額を引き出しますよね。


私たちは、一人一人が同じような銀行を持っています。
それは、時間です。

毎朝、あなたに86,400秒が与えられています。
毎晩、あなたがうまく使いきらなかった時間は消されてしまいます。

それは、翌日に繰り越されません。
それは、貸越しできません。

毎日、あなたのために新しい口座が開かれます。
そして毎晩、その日の残りは消されてしまいます。
もし、あなたがその日の預金を使いきらなければ、あなたはそれを失ったことになります。


過去にさかのぼることはできません。
あなたは、今日与えられた預金の中から今を生きないといけません。

だから、与えられた時間に最大限の投資をしましょう。
そして、そこから健康、幸せ、成功のために最大のものを引き出しましょう。

時計の針は、走り続けています。
今日という日に、最大限のものを作り出しましょう。


1年の価値を理解するには、浪人した学生に聞いてみるといいでしょう。

1ヶ月の価値を理解するには、未熟児を産んだ母親に聞いてみるといいでしょう。

1週間の価値を理解するには、週刊誌の編集者に聞いてみるといいでしょう。

1時間の価値を理解するには、待ち合わせをしている恋人たちに聞いてみるとい いでしょう。

1分の価値を理解するには、電車をちょうど乗り過ごした人に聞いてみるといいでしょう。

1秒の価値を理解するには、たった今、事故を避けることができた人に聞いてみるといいでしょう。

10分の1秒の価値を理解するためには、オリンピックで銀メダルに終わってしまった人に聞いてみるといいでしょう。


あなたの持っている一瞬一瞬を大切にしましょう。

そして、あなたはその時を誰か特別な人と過ごしているのだから、十分に大切にしましょう。
その人は、あなたの時間を使うのに十分ふさわしい人でしょうから。

そして、時は誰も待ってくれないことを覚えましょう。


昨日は、もう過ぎ去ってしまいました。
明日は、まだわからないのです。
今日は、与えられれるものです。


だから、英語では「今」をプレゼント(= present)といいます。

 

今、この時を大切に。

それでは、気が向いたら、また。