If I feel like it. 〜電車の運転士の日常〜

思いは言葉に。昭和末期生まれ。嫁さん、娘ちゃん、チビの4人ぐらし。日常の考えたこと、レビューなど。

電車の運転士の研修に行ってきた話。

ちょっと気を抜いたら、あっという間に10日ほど経ってしまいました。

毎日ブログを更新し続けるとか、並大抵の人間ではできないですね・・・

 

開設したてホヤホヤでこのありさま。

せっかく書くからには、読んでもらいたいですよね。

そして読んでもらうからには、少しでも何か残るものを書きたいですよね。

 

そんなわけで、更新が滞った言い訳をしたいと思います!

長期研修とか準備とか忙しかったんです!

 

なのでブログタイトルを"If I feel like it"(気が向いたらね)に変更して、

滞る更新の言い訳をネタに、話を膨らませていきたいと思います。

せっかくですし、自己紹介を兼ねた記事を書こうじゃありませんか。

 

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どうして運転士になったか

 

そもそも、どうして自分が電車の運転士になったのか。

電車の運転士になるには、基本的には鉄道会社に入社するしかありません。

ブラック企業勤めをしていた20代の中頃、「このままじゃヤバい」と思い転職活動をして、採用通知をくれたのが、自分が勤めている会社です。 

 

色々と転職先を探す中に鉄道会社があったのは、父親の影響が大きいです。

自分の父親も運転士だったので、子供の頃は父の運転する電車に乗ったこともありました。

結局、父親とは違う会社ですが、同じ仕事をすることになりました。

公務員試験とかも受けてたんですが、採用をいただけたのは運が良かったですね。

 

なので、中途採用者です。

生え抜き社員と比べられ、弄られます。

自分が配属された職場は人間関係良好でしたけど、同期の中には苦労してる人もいました。

職場がよすぎて、同期の中で乗務員になったのは自分が一番最後かもしれません。

駅の仕事も自分なりに楽しみながらやってましたからね〜

乗務を目指す人は、すぐに試験をパスする人が多いように感じます。

自分は中途採用で出遅れてる→試験ものんびり受けていたので。

 

基本的には駅員としての配属から、鉄道員のキャリアはスタートします。

働いていくうちに、社内の必要経験などを経ると選抜試験を受けることができるようになります。例えば駅→車掌みたいな例ですね。

 

toyokeizai.net

 

 入社した時から「どうせ鉄道会社で働くなら、自分で電車を運転したい」という気持ちがありました。

ゲームで流行った電車でGo!、めちゃくちゃ下手くそでしたけどね!

 

鉄道、電車が好きな人は圧倒的な知識量で周りと仕事に差をつけられます。

電車でGo!も、どう逆立ちしても敵わない鉄ちゃんな友達がいました。

かわりに、入社試験を突破するのが難しいかもしれませんね。

マニアフィルターで振るい落とされてしまうことが多いと思います。

「仕事」と「趣味」の境界線の、難しいところですね。

 

そんな自分はサラリーマン鉄道員です、はい。

全然電車に詳しくないので申し訳ありません。

逆に、そんな素人目線からご紹介できればと思います。

 

 

自分は駅→車掌→運転士と、2回の試験を経て今に至ります。

社内で募集され、選抜試験を受けるわけですね。

合格すると、晴れて養成の身となります。

 

どうやって運転士になったか

 

中井貴一さん主演の映画で「RAILWAYS」という作品があります。

RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語 - Wikipedia

映画を見ていただければなんとなく、見習い運転士の様子も描かれているのでわかるかと思いますが、さらっと文章で。

 

めっちゃ勉強します。

 

電車を運転するには、免許が必要です。

自動車のように教習所で、学科や実技を学ぶわけですね。

最終的に、国家試験に合格すれば免許をゲットできる、ということです。 

 

車の免許は、合宿で14〜15日くらいで取得できるみたいですね。

学生さんは、夏休みとか冬休みとかを利用して取るんでしょうか。

主婦の方なら、子供がいない日中に、とかね。

自分も大学に行きながら、苦労して取った覚えがあります。

 

時間でいうと、60時間の教習が必要だそうです。

免許取るのに、結構苦労して取りましたよね?

 

電車は、最低820時間です。

学科400時間、実技420時間以上ですね。

車の免許、14回くらい取ると思ってください。

きつかったわ〜

 

ちなみに、旅客機のパイロットはフライトだけで最低1500時間が必要だそうですね。

まさに桁違い・・・

ヤバいわ〜

 

運転士はどんな仕事をするのか

 

うちのおチビ達が大好きなEテレから。 

大量の乗客をスムーズに動かす導線ラインや自動改札機、正確で安全な車両の運行システムを観察する。

www.nhk.or.jp

 

 

チャプター10あたりから、乗務員の仕事が紹介されています。

だいたいこんな感じです。

子供が電車ごっこでやる、あれですね!

「出発進行!」って指差すやつです。

 

究極のルーティンワークだと思います。

 

友達からも聞かれたことがあります。

「いつも同じで大変じゃない?」「飽きない?」

 

ですが、中井貴一さんも映画の中でおっしゃっていました。

 

「毎日、同じ線路を走っているけど、1日たりとも、同じ日はない」

映画「RAILWAYS」より

 

これが全てではないでしょうか。 

 

例えば、大工の立てる家は全部同じで大変ですか?

料理人やパン屋さんは、仕事に飽きそうですか?

ジャンルは違えど、そういう職人魂みたいなものは共通していると思います。

 

運転士はどんな研修をするのか

 

やっと本題!ここまで長かった〜

 

さて突然ですが、お聞きします。

電車って何で動いていると思いますか?

 

電気ですよね。

当たり前です。

 

運転士のハンドルさばきで動いてますよね。

でも、それだけじゃありません。

 

電車って、法律で動かしてるんですよ・・・

 

先ほども書いたように、見習いの養成に必要なのは820時間です。

実技で必要なのはトータルで420時間でしたね。

もっとも多く時間が割かれているのは、いうまでもなく乗務講習です。

実に350時間以上です。

残りの70時間は、基礎訓練とか異常時訓練とかです。

 

学科は400時間の講習です。

中でも多いのは、電車の構造に関する学科=車両(120時間)ですね。

 

それに迫るくらい、法規(法律)の勉強をするんです。

学科の中では、2番目に必要な時間を要する科目です。

なんと95時間です。うへぇ・・・

ちなみに、電気の勉強時間は、40時間しかありません。

 

感覚狂いますよね、勉強とか1時間するだけで結構ツラいですよね!!

 

乗務員は一人前になった後も継続して教育を受けていないと、電車に乗れません。

ですんで、やっぱり受ける研修もこの「実技」「車両」「法規」が3本柱なんです。

 

今回の研修は、今回シュミレーターを使った異常時訓練の他、やっぱり法規や車両構造などについて勉強し直してきました。

社会人らし〜い、会社の成長戦略とか、人材育成とか、なんやかんやも研修してきましたけど。

そういったジャンルの時間は短かったですね!

 

法律が変わることはそうそう無いですが、それを元に会社内のルールが決められます。

技術の進歩とかで運用が変わるときは、そのルールを少しづつ変えるわけです。

 

ルール、マジ大切なんです・・・

知ってるだけじゃダメ、人に説明できるだけじゃ不十分。

きちんと実行できないといけないのは、言わずもがなですね。

 

研修を通して得られた気づき

1.仕事をする上での人との絆、相互性を再確認できた

運転士の仕事はツラいこともあるけど、やりがいありますよ。

そんな仕事をやれて、幸せだなぁと思います。

だから勉強するのも、当たり前ですよね。

社会人ならみんながそれぞれの形で勉強しているはずです。

 

今回の研修は、運転士同期と勉強する最後の研修でした。

普通の社会人では、同期と研修を受けるって、なかなか無いのでは無いでしょうか?

 

自分は中途採用ということもあり、クラスの最年長でした。

研修に当たって、級長を任命されていたので、ずっと名前でなく「級長〜」と呼ばれていました。

だから研修の段取りとか宴会の準備とか、ちょこちょこ動いていました。

 

 同じ時間を苦楽を共にして、「一人前の運転士になる!」と目指してやってきた同期と久々に顔を合わせるわけですから、楽しく無いはずがありません。

お互いの近況や仕事の情報交換など、ナマの情報は貴重でした。

 

また、電車を動かすのは運転士だけではなくて、ものすごい人の仕事の上に成り立ってる、ということも再認識できました。

当たり前ですけど、普段は忘れてしまうんですよね。

 

講義してくれる先生方は、元々教師として鉄道会社に入っているわけではありません。

営業、運輸、車両、電気、土木、設備、技術開発、etc...

どこかの職場でその道何十年のプロ達が、選ばれて先生になっているのです。

 

経験談を聞くだけで面白いですよね。

そういう職種、職場の人たちの仕事の結晶として、自分が動かすハンドルがあるのだな、と。

 

2.当たり前なことが、大切だということ

上で書いたことにも共通しますが。

当たり前のことって、忘れてしまう・・・

というか、気づかずに過ごしてしまうことがあると思います。

それを思い出し直すというか。

 

駅員の頃に先輩に教えられ、今でも意識していることがあります。

「安全のABC」と言われています。

 

A=当たり前のことを

B=バカにしないで

C=ちゃんとやる

 

聞いたことがある人もいるかもしれません。

凡事徹底、なんて四字熟語もありますね。

標語になるってことは、これを守ることが難しいことの裏返しですよね。

 

当たり前なことって、どこか馬鹿馬鹿しい。

なんか、しっかりやらなくても出来てしまう。

だから、落とし穴にはまってしまうんです。

 

守らないとすぐにケガするわけではありません。

今まで道を歩いてて、落とし穴にハマったことのある人は少ないでしょう?

 

ただ、何もなく歩いて行けたのは運が良かっただけかもしれません。

事故にあわないように、確率を少しでも下げる、プロとしての努力が大切なんだなぁ、と。

 

3.生きているだけでもいいじゃん?

極論ですけどね。笑

これを、見習い時代からの担任の先生に飲み会の席で言っていただいて、

なんだか「本当にそうだな〜」と深く思ったんですよね。

 

今回の研修は単独乗務をするようになってから、3年経過してからのものだったんです。

3年の間に、色々なことがありました。

例えば、同期の中でも自責事故をやってしまった人だとか。

運転士をやめてしまった人だとか。

結婚しただとか。子供が生まれたとか。

 

担任として見守ってくれていながら、「生きてるだけでいーんだよ!」

ってセリフが、その人からどーんと出てくると・・・

「そうだなぁ〜」って深く納得してしまったんです。熱い人なんです。笑

 

バカやりながらのお酒の席の話ですけどね。

湿っぽい話の中でそんな風に声をかけてもらえて、嬉しくなりました。

 

人生の方針というか、腹が決まったというのもあります。

鉄道員として働いてると、昨今に言われる「よそでも通用するスキル」

みたいなものって全く身につかないんですよ!!

だからこそ、この道で生きることになるんだなぁと。

 

まとめ

 

長々と書いてきましたが。

簡単な自己紹介、電車の話や今の自分の考えなど触れることができたかなと思います。

 

振り返りって、なかなかしない&出来ないですよね。

自分のこととか、仕事のこととか、立ち位置のこととか。

 

こういう機会に、強制的に文章にしてみるのもいいものかもしれませんね。

これがブログのいいところの一つなんだろうなぁ。

長文を最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。

 

そんなことを考えました。

それでは、気が向いたら、また。